新人エンジニアが半年間ビジネスの創出に尽力して学んだこと

こんにちは。エンジニアの前川です。

「イノベーションを起こす」、言葉では多く聞くようになってきましたが、いざ意気込んで取り組みを始めようとしてみても、「メンバーや資金、どんな課題に取り組むのか?」考えることはとてもたくさんあると思います。

今回、私は名古屋市が主催するイノベーター育成・ビジネス創出プログラム「NAGOYA BOOST10000(ナゴヤブーストテンサウザンド)」に2019年9月~2020年2月の約半年間参加してきました。
その半年間の中で、新しいビジネスを考えるうえで大事だと感じたことを2つご紹介します。

「NAGOYA BOOST10000(ナゴヤブーストテンサウザンド)」とは?

「名古屋市からイノベーションを創出することを最終目的としており、技術、思考から法律まで幅広く学び、多種多様な人と新しいビジネスを創っていくイベントです。」

多くの協賛企業からの技術提供や、著名な方のワークショップを通じてインプットを行い、他企業の方々とチームを組んで新しいビジネスの創出に取り組みました。

NAGOYA BOOST10000

ホームページ

1. なぜやるのか?まずはとことんWhyを考える

さて、今回半年間のイベントの初期にやったことの一つに、各個人が「なぜ新しくビジネスを創るのか、それでどんな世界を実現したいのか、どんな信念のもとやるのか」といった、根本的な”なぜ(why)を考える”というものがありました。
これは、サイモン・シネック氏が提唱しているゴールデンサークルの考え方を参考にしており、優れたリーダーや組織は共通して、一般の人とモノの考え方や行動の仕方が真逆だといいます。

 

Why:なぜ
How:どうやって
What:なにを

 

優れたリーダーや組織は、この順番で物事を考え、行動をしているという理論です。
多くの人や企業はwhat(何を)how(どうやって)作るのか、のように逆の順番から物事を考え、why(なぜ)やるのか理解していない人も少なくないと言います。

実際に私もこれまで、「何を作るのか⇒それはどうやって作るのか」whatからhowを考えて行動することが多かったです。「こういうモノつくってみよう、こんな風にやればできるから。」そんな風に言われ、なぜやるのか考えず物事を初めていくことも多々ありました。

しかし、今回のプログラムで多くのピッチを聞き、そして新しいアイディアを考えていく中で、その順序での考え方は共感が生まれづらいことを身に染みて感じました。
後付けの信念、直感的な行動をすることは可能です。ですが、今一度whyから考えて物事を始めることが大事だと気づかされました。

私たちは、何がやりたいのか、なぜそれをやりたいのかもう説明ができなくなるほど、なぜを突き詰めました。
その結果、ビジョンを大切にし、チームは実現に向けモチベーション高く活発に活動することができました。
また、発表の際にビジョンについて多くの共感の声をもらうことができました。

何かを始める前に、一度シネック氏の「優れたリーダーはいかに行動を促すのか」を是非見てみてください。
成功を収めている企業や人の考え方には理由があります。理解を深めてから、なぜしたいのか今一度考えてみることが、よりよいビジネスの創出につながるのではないでしょうか。

2. プロトタイプは全部つくらなくていい

チームの土台ができ、課題やソリューションの仮説が決まったら時には、素早くプロトタイプをつくることが大切です。

現代において、新しいソリューションは日々とてつもないスピードで生まれています。時間をかければかけるほど、同じサービスか、もっと良いサービスが出てきます。

また、使ってみてユーザーの検証をしてみないとわからないことはたくさんあります。そして、回転数はそれだけ製品やサービスの質の向上につながります。

では、素早くプロトタイプを作るにはどうしたらいいのか?
今回私が効率化のために重要だと感じたのは以下の3点です。

  • 全部を最初から作らない。
  • 既に存在するサービスをとことん使う。
  • 仕組みを作るのが大変なら、人力でやってしまう。

最初から全部つくることは効率が悪い上に、検証であるプロトタイプでは、必要ではありません。
なぜそのプロトタイプを作るのか、何を検証したいのかを明確にすることが本当に大事なことです。そのうえで、必要な機能のみ作ることが効率化につながります。

そして作る際には、既存のサービス、オープンソースやAPIをどんどん使うべきです。
今や技術は溢れてきています。一から作らなくても、すでにある場合がほとんどです。
実際に私たちも音楽をネット上で重ね録りする機能や、ユーザーの交流のためのチャット機能などは既存のサービスを使いました。
そういった機能に無駄に時間を割くことなく、本当に検証したいことに目を向けて時間を使うことでユーザーからのフィードバックを早期に得て、よりよい改善につながりました。

しかし、仕組みがない、または作ることや組み込むことに時間がかかる場合もあります。
そんな時は人力でやってしまうことも一つの方法です。
例えば、スマホからオフィスの電気や空調を操作できるサービスを作るとき、検証で、そのサービスが便利だと感じるか、またはUIが使いやすいかを検証したいとするのならば、必ずしも家電製品と連動させる必要はありません。
スマホが操作されたことを感知したら、人がボタンを押して変化を体験してもらっても、フィードバックを得ることはできます。

大げさに言うのであれば、箱の中に人が入って、機械で処理をしているように見せても、検証で欲しいデータが手に入るのならば、それも一つの方法なのです。

結局はそのプロトタイプでユーザーから何を得たいかが重要であり、動作の検証がしたいのであればシステムを作る必要はありますが、サービスの仮説を検証する段階では人力でやってしまった方が手っ取り早いことは多々あります。

最後には全て形にする必要はあります。
ですが、最初からすべて仕組みを作ってしまう必要はないのではないでしょうか?
検証で何を得たいか考え、素早く回すための環境が現代にはできています。

最後に

今回私が半年間という期間の中で学んだことは数えきれないほどありました。その中で、大事だと感じたのはモノの考え方や手法の引き出しの数です。今回はその中で2つご紹介をさせていただきました。
多種多様な企業の方が集まるイベントだったからこそ、多くの気付きを得られたと思っています。
皆さんも是非、イベントに足を運んでみてはいかがですか?新しい世界が広がるかもしれません。


エスケイワードは、お客様の課題をコミュニケーションデザインで解決いたします。
課題がハッキリ見えていない方もご安心ください。丁寧なヒアリングでモヤモヤをスッキリさせるところからお手伝いいたします。
コミュニケーションデザインの力で何かを始めたい。そんな想いのある方は、私たちと一緒に始めてみませんか。