社会課題を自分ごとに。中小企業でSDGs勉強ワークショップを開催した話

持続可能な社会を実現するために、2015年9月に国連で採択された目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」。日本でも大手企業を中心に、企業の活動とSDGsと結び付ける取り組みが広がっています。

エスケイワードでは先日、社員向けのSDGs勉強会が初開催されました。50名規模の中小企業であるエスケイワードでなぜこのような取り組みを行うことになったのか。

社会課題を自分ごととして捉えるきっかけとなった今回の勉強会。その開催背景に迫ります。

社員の関心から始まったSDGsの取り組み

エスケイワードのSDGsの取り組みは、某大手企業のWebサイトリニューアルに関わったプロジェクトマネージャー伊藤の発案で始まりました。

伊藤:クライアントがたまたまSDGsの取り組みを推進している企業で、リニューアルの打ち合わせを進めていくなかで「SDGs」というキーワードが何度も出てきて。恥ずかしながら初めはその意味も知らなかったので、調べました。
全世界の課題であるということは分かったけれども、「国とか大企業が取り組むものなんだな」くらいの認識でした。やっぱり環境問題のイメージが強かったので、エスケイワードは製造業でもないし、ちょっと遠い活動かなとそのときは思いましたね。

初めは自分ごととして捉えられなかった伊藤。しかし、徐々に考えが変わっていきます。

伊藤:クライアントを理解するために、SDGsの勉強は続けました。それでセミナーに参加したりするなかで、だんだん問題意識と危機感を持つようになってきたんですよね。このままで地球は大丈夫なのかって・・・。
日本ではまだ「SDGs」の認知度が低いことも分かって。じゃあどんな企業や団体が取り組みを始めているんだろうと調べてみたら、大企業だけじゃなく中小企業でも取り組んでいる会社があると知ったんです。そこから、何か自分たちでも取り組みができないかなと考え始めましたね。
ひとまず、すでにエスケイワードで行っている取り組みをSDGsのゴールやターゲットに当てはめてみました。そうしたら、ダイバーシティ推進とか意外と当てはめられるものがあったんですよね。せっかく取り組むなら、その先にグローバルゴールがあるという意識を社員みんなに持ってもらえないかと思って、社長に相談して、まずは社内のSDGs認知度を上げるために勉強会を開催しようということになりました。

社員の発案で開催が決定したSDGs勉強会。伊藤からの相談を受けた代表加藤はなぜGOサインを出したのでしょうか。

加藤:私自身、社会の持続可能性と経営をリンクさせることについて考えてきていて、2003年にサステナブル経営研究会を立ち上げたりしてきたんですね。なのでもちろん「SDGs」というキーワードは気にしていました。だけど、こういった課題意識はトップダウンで「持て」といっても持てるものじゃないし、押し付けられて取り組めるものではない。なので、伊藤くんから会社で取り組みませんかと言ってもらったときは嬉しかったですね。

目的を達成するための勉強会設計

せっかく勉強会を開催するならば、単に知ってもらうだけではなく自分ごとに落とし込んでもらうところまでを目的としたい。ちょうどダイバーシティ推進委員会の活動テーマが「社員が自分の意見・考えを伝えられる風土づくり」であったため、参加者同士が意見を伝えあう対話も取り入れた勉強会として共催する流れを検討していきました。

どうしたら、知り、対話から理解を深め、最終的に各自の実践に繋げられるのか。特に対話をスムーズに進めるためにはどうしたらいいのか。検討を重ね、以下の3部構成の勉強会として設計しました。

  1. 伊藤からのSDGs講義(入門編)
  2. 補助ツールとして「リフレクションカード®」を取り入れたグループごとの対話
  3. SDGsチャレンジシート」を各自で記入

伊藤:講義パートではどこまで詳細に説明をするのかを密に検討しました。今回の勉強会の目的は、社内でSDGsの認知度を上げ各自が課題を自分ごととして捉えてもらうことだったので、各ゴールやターゲットの細かな説明をするのではなく、「なぜSDGsが必要なのか」に重点を置いて説明することとしました。SDGsの成り立ち、「地球上の誰一人として取り残さない」コンセプトや、現状把握のための数値に触れることで、SDGsの必要性を参加者にしっかり伝えたいと考えました。さらに取り組みの具体的な例を出すことで、自分の行動が知らないうちにSDGsに通じていることも伝えられるように配慮しました。
あとは会社でやっている以上ビジネスの視点は必要でしたので、SDGsの課題解決で生まれる新たな市場や、取り組むことで企業のブランディングにも繋がることも盛り込みました。

対話パートでは、講義を聞いて参加者がそれぞれ関心のあるゴールについて意見を交換し、理解を深めていくことがねらいです。「リフレクションカード®」とSDGsをかけ合わせた対話はもちろん初めての試み。勉強会当日に参加者がスムーズに対話に入っていけるようなグループ分け方法や、SDGsのゴールを身近なことと感じて話せるようなキーワードを用意しました。

実際に講義に使用した資料はこちらです。

知る、深める、そして自分ごとへ

勉強会当日、講義中のアンケートでSDGsを知っている人として手が上がったのは参加者の半数程度でしたが、終了後に実施したアンケートでは約98%がSDGsに興味を持ち、今後も勉強会や情報提供の機会を望むという結果になりました。

グループごとに行った対話で得られた気づきの共有や「SDGsチャレンジシート」の記入もしたことで、参加者ひとりひとりがSDGsを他人事ではなく自分ごととして捉えられた証拠ではないでしょうか。

まだ始まったばかりのエスケイワードのSDGsへの取り組み。社会課題は大企業や国だけのものではない。中小企業でも、自分ひとりでも、できることはある。自分ごととして捉えることができた社員を巻き込みながら、引き続き企業としての取り組みを模索していきます。


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