こんにちは。Webコミュニケーション事業部長の伊藤です。私事ですが、事業部長になって2年目になります。
そんな2020年度、Webコミュニケーション事業部の活動をどう進めていくのか。今日はそんなお話をしたいと思います。
組織から変革を
今年度の組織編制をするにあたり、重要視したポイントが2つあります。
1.職種で分けたチームから職種混在のチームへ変更
私たちの部門ではここ数年間、デザイナー、エンジニア、ディレクターと職種ごとにチーム編成をしていましたが、このままでいいのかと懸念を感じていました。
詳しくは後述しますが、同じ職種が集まったチームでは、相談ごとをしてもどうしても自分の職種だけの目線になり、決められた制作物の納品だけを目指すような議論が起こり、本来のプロジェクトのゴールを見失ってしまうことが見受けられていたのです。
2.心理的安全性を考えた組織づくり
これまでとは異なる職種混在のチームにすることで目指すのはメンバーひとりひとりがポテンシャルを発揮できること。こちらも詳しくは後述しますが、それぞれの意見が伝えづらくなることが無いよう、心理的安全性への配慮も重要視しています。
Web制作昔話
この2つのポイントを重視するようになった経緯を、少し遡ってお伝えします。
カッコイイWebサイトがあれば良かった
私がWeb制作に携わるようになったのはエスケイワードにWebの部門が出来た2005年頃。
その時代、企業にとってWebサイトは持っているだけで価値のあるものでした。Webサイトを運用することで得られるリターンはさほど考えられておらず、「カッコイイ」サイトを持つことが評価されていたと感じます。ですので、Webサイトを「制作」すること自体に価値を感じてもらえていたのです。
分業未満の何でもやる体制
当時、エスケイワードにも職種として「デザイナー」や「コーダー」の分類がありましたが、メインの業務が何か程度の分け方で、どの職種でもデザインもコーディングもしていました。現在ほどWeb制作に必要な技術が高度ではなかったこと、多岐にわたっていなかったこと、そして業務に関わる人数が少なかったからそういった体制だったと言えます。
ちなみに、一人がデザインからコーディングまでカバーする体制には以下のようなメリットがありました。
- Web制作の工程全体が分かる
- 一人で対応するので判断がしやすい
- 他の職種の作業も体験出来るため、自分が何に向いているか体験して決められる
- 一人で様々な工程を経験することで、スピード感をもって成長できる
また当時は業界全体で徹夜も厭わないような働き方であったことも事実です。
部門の拡大と分業体制の確立
2010年台に入ってメンバーも増え、各業種の専門性も高くなってくるなかで、Webの部門は職種ごとに分業するチーム編成に切り替わりました。
同職種の共通言語で話せるチーム体制となったことで、チーム内の意見交換は活発になり、知識の共有も積極的にされ、各職種の専門性向上に繋がりました。
見えてきた課題
- ウォーターフォール型のプロジェクト対応に偏る
プロジェクトが始まった段階でプロジェクトチームをつくり進行していましたが、なかなか全工程にメンバーが関わるのは難しく、自分の担当フェーズからしか参加しない流れになってしまっていました。 - プロジェクトの俯瞰ができない
上述のように各メンバーが自分の担当フェーズからしか参加しないので、視点も自分のフェーズに固定されてしまい、全員でプロジェクト全体を見渡す機会が減ってしまっていました。
その結果、制作過程ではお客様が求めているプロジェクトのゴールを忘れ、制作物としてのWebサイトを納品することがゴールに刷り替わってしまうことがありました。 - プロジェクトチームで一体感が持てない
分業制で進めているとお客様と接点を持つのがプロデューサーやディレクターに限られてしまい、デザイナーやエンジニア、チェッカーといったほかのプロジェクトメンバーとの温度差が生まれてしまうことがありました。 - 職種チームの年長者にプロジェクトが集中する
プロジェクトチームのメンバー構成をする際、納期を考慮するとどうしても難易度の高いプロジェクトは年長者に集中してしまっていました。その結果、若手の成長機会が減ってしまったり、年長者がいつも忙しく余裕のない状態で若手に教えるゆとりもない悪循環に陥っていました。
これらの課題に加えて、経験の長いメンバーが昔のやり方で何でも一人で進めてしまい、仕事が属人化し新しい意見や取り組みが取り入れにくい状況を作っていたこともありました。
2020年度、決意の変革
昔話が長くなりましたが、2020年の現在、企業にとってWebサイトの位置づけは過去のものと大きく変わっています。
カッコイイWebサイトを持っていれば良かった時代は終わり、Webサイトは企業が抱える何らかの課題を解決する手段となっています。そのためWebサイトを制作することだけでは価値を提供できず、お客様の課題を一緒に解決するパートナーであることが求められてきています。
お客様の抱える課題は多様です。そこに向き合っていくためには、私たちも部門メンバーのポテンシャルを最大限引き出し、発揮させていかなければなりません。そこで、冒頭にお伝えしたような組織変革に至るのです。
特に心理的安全性を考えた組織づくりでは、以下の点を重点的に取り組んでいます。
- 各チームにミッションを渡し、チームで共通の目標に向かって意見を出す環境をつくる
- その場で思いついた意見でもどんどん伝える(「スーパージャストアイデア」が部門内での流行語になりつつあります 笑)
- 出した意見に賛成であっても、無言の賛成にはせず意思表示をする
- 自分をさらけ出す。得意不得意も共有して、チーム内で適材適所を実現する
デザイン × テクノロジーで挑む
4月にエスケイワードが新たに掲げた「Core Values」の一つは「デザイン × テクノロジーで挑む」。
新型コロナウィルスの影響により、コミュニケーションの舞台が急速にオンラインに移行していっています。リアルとオンライン、人々の価値観が変わっていくなかで「Web」の役割はさらに変化していくでしょう。
急速な時代の変化にも適応できるように。デザイン × テクノロジーの相乗効果を最大限発揮できるように。
組織変革をスタートにしたチャレンジを続けていきます。
エスケイワードは、お客様の課題に対して最適と考えられるWeb施策をご提案いたします。課題がハッキリ見えていない方には、丁寧なヒアリングでモヤモヤをスッキリさせるところからお手伝いいたします。
ブランドイメージを見直したうえでのWebサイトリニューアルや、新規コンテンツの企画もお任せください。御社の魅力を最大限に伝える表現を一緒につくっていきませんか。