企業の持つ価値を探る-コーポレートアーカイブの重要性その2

エスケイワードでは企業にとって重要な資料を集め、活用しやすいように整理する「コーポレートアーカイブ」の仕事をしています。

実態の分かりづらい(汗)コーポレートアーカイブがどんな仕事なのか、今回は実際の業務内容に迫ってお伝えしていきます。

集め、選び、残し、活かす。アーカイブのサイクル

前回のおさらいですが…アーカイブ(archive)とは、重要記録を保存・活用し、未来に伝達することを言います。

コーポレートアーカイブは、その名の通り「企業」にとって重要な価値あるモノを保存し未来に伝達することで、企業の成長材料として活用することを目的としています。

整理・調査-価値あるモノを集める

では、企業にとって重要な「価値あるモノ」とは何でしょうか。

企業が所有する財産のことを資産と呼びますが、資産には有形資産と無形資産があり、以下のように分類されています。

  • 有形資産
    ヒト、モノ、カネと言われるもの。お金があれば誰にでも、いつでも、手に入れることができます。
  • 無形資産
    ブランド、ノウハウ、社風(文化・風土)。時間をかけて人を介して培われるもので、お金だけでは手に入れることはできません。

コーポレートアーカイブでは、主に無形資産を「価値あるモノ」として取り扱っています。それは、無形資産に2つの特徴があるからです。

  1. 独自性と模倣困難性
    ブランドやノウハウは試行錯誤しながら手に入れるしかありません。自分たちで作り、守り、発展させていく必要があるのです
  2. 自然蓄積性
    ノウハウや社風は組織やそのメンバーが経験・学習することで少しずつ蓄積されていきます。また、一度失ってしまったら再度蓄積するのには同等以上の時間がかかります

参考:上田和勇「組織資産のリスクマネジメントによる企業価値最適化」(『専修ビジネス・レビュー 』3(1)、2008年)

「資料」は資産

企業にとって価値のあるブランド、ノウハウ、社風(文化・風土)といった無形資産。では「無形」であるこれらをどのように残していくのでしょうか。

実は、無形資産であるブランド、ノウハウ、社風(文化・風土)は、「資料」によって形になっている場合が多いのです。

例えば社内報。一見ただの紙面ですが、その中には社風を表す記事が多数掲載されています

エスケイワードの社内報。人を大切にしている社風が表れています。

また、資料は紙だけではありません。額に収められた写真や古いフィルム、製品開発中の試作品…様々なものが企業のブランド、ノウハウ、社風(文化・風土)を表す資料となり得るのです。

分析-選び、伝わるように残す

企業にとって「価値あるモノ」がどんなものか分かったら、次は伝わるように資料を残す工程です。

まずは、企業内に眠っている資料を収集し、そこからブランド、ノウハウ、社風(文化・風土)が伝わる「残すべき資料」を選定していきます。

どんなに経過年数の長い資料も、「古い」というだけでは価値があるとは言えません。例えば、年代や状況の分からない写真はそれだけを残しても何も伝わりません。まずは資料がどんな情報を持っているのかを調査することで、その資料の価値が見えてきます。

資料一つ一つの持つ価値が分かったうえで、どんな資料を価値あるものとして選定するかは、お客様によって様々です。エスケイワードのアーカイブチームでは、お客様を深く理解し、残すべき資料のアドバイスをし、最終的にはお客様ご自身で残す資料の決定をしていただきます

また、伝わるように残すために、資料の整理整頓もしています。

  • その資料にどんな情報が掲載されているのか分かりやすく、探しやすくするためにカテゴリーや時系列で分類する。
  • 古い資料(例えば古いフィルムや写真)の保護処置や電子化をして見えやすくする。
  • 資料の保管場所を整理整頓して取り出しやすくする。

このような整理整頓、保護処置、電子化も、資料に宿った価値が伝わるように残すための重要なポイントです。

古い写真資料を電子化している様子

活用-共有し、残すことを続ける

企業にとって価値あるモノを伝わるように残すことができたら、残した資料を活用していきます。

活用方法は企業にとって様々ですが、基本は「共有すること」にあります。
社員教育など社内向けに共有し活用することもあれば、年史や企業紹介、Webサイトに掲載し社外向けに活用することもあるでしょう。
さらには残した資料から自社の価値や強みの基盤を見つめ直し、ブランディングに繋げることもできます。

また、資料の収集を続けることも重要です。企業活動が続く限り、無形資産を伝える資料は増え続けていきます。資料を収集し、整理し、活用するサイクルをつくることで、「これまでの歩みから在るべき姿を構想し、発信、共有、定着させる」企業のグッドサイクルが回り始めるのです。

企業の節目に最高のアーカイブ体験を

コーポレートアーカイブの全容が少しはお分かりいただけたでしょうか。

説明するは易し…実際のアーカイブ業務は資料の調査、選定、共有(電子化やデータベース化)に多くの時間と手間がかかるため、非常に地味で地道な業務でもあります。

しかし、お客様にとってコーポレートアーカイブは企業の〇〇周年といった大切な節目に実施する場合も多く、ご担当者にとっては一生に一度、初めての経験となることがほとんどでしょう。

アーカイブチームのメンバーはそのことを忘れずに、お客様に最高のアーカイブ体験をしていただけるよう、この業務に誇りを持って丁寧に各工程の作業やお客様のサポートを実施しています。

頼りになるコーポレートアーカイブチームのメンバーたち

昨今はVUCAワールドと言われ、どんな企業にとっても先行き不透明な変化の早い時代です。会社をどんな方向にハンドリングしていくか、どんな未来や新しい価値を社員一丸となってつくっていくか、そのヒントはこれまでの企業の歩みや、やってきたことに隠れているかもしれません。コーポレートアーカイブで企業がこれまでに生み出してきた価値を見つめ直し、より良い未来へ繋げてみませんか。


エスケイワードは、お客様の課題をコミュニケーションデザインで解決いたします。
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